「証」について

現代医学が「病気を治す治療法」であるのに対して、漢方医学は「病人を治す治療法」であるといわれます。

現代医学では病名に基づいて治療方針が決定されるのに対し、漢方医学ではその人の体質や体力、抵抗力、あるいは病気の進行の程度を意味する「証（あかし、しょう）」に基づいてそれに最も適した漢方薬を決定します。

このため、現代医学の目でとらえた場合には同じ病気で、同じ西洋薬を処方されるような場合であっても、漢方医学では、その人それぞれに応じて、違う漢方薬が選ばれるのです。

漢方医学においては、その人の「証」を正確に見定めることが治療の最大のポイントとなります。