冷えのぼせ(首から上の汗)
下半身や手足が冷えるのに顔や首がほてってのぼせやすい、首から上だけ汗をかく、といった症状はありませんか?さらにこの症状が進むと、周りの人は平気なのに自分だけ汗をかいたり、急に顔が赤くなったりします。
西洋医学では治療法も特になく、あまり重要視されていませんが、中国漢方では「冷えのぼせ」は体内にアンバランスがある証拠です。「冷えのぼせ」を例えていうならば「沸かしたてのお風呂」のようなもので、上は熱くて下は冷たいのです。ですからどうして、うまくかきまざらないのかを 考え、タイプにあわせて「かき混ぜる」ということが対処法になります。
主として二つのタイプが考えられます。
一つは「気滞(きたい)」タイプで、いわば自律神経失調型です。 これは気=エネルギーの循環が悪いタイプです。 このタイプはさらにイライラしやすい、感情の浮き沈みが激しい、感情をコントロールできない、などの症状が目立ちます。また胸やお腹が張る、便がすっきり出ない、などの症状もよく現れます。 このタイプには気の流れをスムーズにするお薬を使います。
もう一つは「瘀血(おけつ)」タイプでいわゆる血行障害型です。 血行を改善し、血管の収縮、拡張のバランスを整える必要があります。 そうすることにより、上下の熱の循環もスムーズになるのです。このタイプの方は「冷えのぼせ」の他に肩こりや頭痛、便秘などを伴うことが多いです。 お薬は血の流れをよくするものを使います。
1.冷え症は万病の元
漢方医療では冷え症は、疲労倦怠感、頭重感・頭痛、胃もたれ・食欲不振・腹痛・下痢、腰痛・関節痛、生理不順、頻尿など「万病の元」と考えています。そのため体を温めて体調を整える治療を重視してきました。
西洋医学的に考えても冷えは、血行が悪い新陳代謝の低下、貧血傾向、胃腸虚弱傾向に由来します。そのため免疫力や内分泌機能も低下して各種の疾患の元になることが予想されます。
2.冷え症は女性だけでなく男性にもみられる
冷え症は、女性に多くPMS(月経前症候群)や婦人更年期障害の生理痛や生理不順の元になります。若い女性の過剰なダイエットがエネルギー不足を招き貧血や冷え症を誘発します。
一方、男性にも冷え症があります。低血圧傾向の人は冷えて、めまいに悩みます。高齢者では体内のエネルギーを産生する筋肉が減少するので、男女ともに冷えを感じます。高齢者が夜間に尿が近くなるのも冷え症のサインです。
風邪を引きやすくこじれやすい子供(虚弱児)も冷え症が背景になることが多いようです。 |