乾燥肌と漢方
そろそろお肌の乾燥の季節です。顔や手を洗ったあとにつっぱったりゴワゴワしたりしませんか?最近は保湿性の高い化粧品がいろいろと出ているようですが、それだけで良いのでしょうか。中医学では、肌の問題は表面だけではなく、内面の現われと考えます。 特に秋は「肺(お肌)」に注意をしなければならない季節とされています。肺という臓器はいつも潤っているのが正常とされ、その働きは呼吸のほかにもスプリンクラーのように全身に潤いやエネルギーをまいていると考えています。秋は空気中の湿度が低下し、たとえ汗をかいていなくても皮膚からどんどん水分が蒸発してしまい、系絡でつながっている「肺」もまた乾燥してしまうのです。その結果、肺の働きである潤いを運ぶ力も低下してしまい体の外側だけでなく、内側から乾燥してしまうのです。
実際、どんな化粧品を使っても乾燥がひどい人とそうでない人がいます。それは、内側(内臓)から潤っている人と、そうでない人がいるからなのです。お肌の潤いは本来、常に内側から補充されているはずです。外から いくら潤いを足そうと、内側から乾いている人は なかなか お肌の改善が見られないことが多いのです。
漢方薬はこの内側からの潤いを補充することや、潤いを届けてくれる肺を元気にしてあげることが、得意なのです。乾燥肌以外にも、内側が乾燥している人に、多く見られる症状が空咳や、便秘、髪のパサツキです。こういった症状を併せてお持ちの方は、特に内側からの保湿をオススメいたします。
体質改善で乾燥肌を予防しよう
乾燥肌の多くは、外的要因、特に生活環境によって引き起こされる場合が非常に多いと言えます。その一方で、外的(環境)要因ではなく、内臓の疾患を伴うものが約10〜50%ほどあると言われています。内分泌・代謝疾患や血液疾患、内臓悪性腫瘍、肝障害、賢障害、心因性などがその一部です。乾燥肌でも全身性掻痒症の場合は、内科的疾患が隠れていないか、病院でしっかり検査し予防する必要があります。内臓等内科的疾患の場合は病原の予防と改善が基本となりますから、スタートを誤まらないように注意しましょう。
また、かゆみの出にくい食事を心がけ乾燥肌を予防することをおすすめします。とは言っても「かゆみ」と食事の因果関係とは患者によって様々であり、アレルギー性のアトピー性皮膚炎でさえも、食事とかゆみ(発症)との因果関係というのは正式には立証されていません。もっとも良い対策は、一度摂取した食事をきちんと記録し、もしかゆみや赤み、アレルギーの症状が出た場合に何が原因なのかを分析するための材料や情報を準備しておくことです。症状によっては専門的に診てもらう必要もありますが、医師に診断してもらうとしてもその記録が役に立ちますのでこの方法をおすすめします。 |